2017年5月20日第2期電王戦最終第2局が、兵庫県姫路市の姫路城で行われました。
http://www.nikkei.com/より出典
将棋のプロ棋士、佐藤天彦名人と山本一成さんのコンピューターソフトponanzaの2番勝負。
なんと・・・先手の佐藤名人が94手で敗れました・・・。
対戦成績は佐藤名人の2戦2敗。
同年4月1日の対局同様、ワタシは佐藤名人をほのかに応援していたので、残念に思うと共に、PONANZAに対しよく健闘されましたと賞賛したいのです!
電王戦の対戦成績はここまで、ソフトが棋士に13勝5敗1分けという結果を残しています。
PONANZAは最強ソフトと言われ、プロ棋士を相手に6連勝中でした。
ワタシは将棋は詳しいかと聞かれればそうではありません。
漫画や映画で得た知識程度です。
それゆえに、思う疑問も初心や将棋をよく知らない人と同じような疑問を持てるのです・・・
ワタシがこの電王戦で一番疑問に思った出来事について書いていきます!
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では早速!
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目次
山本一成のPONANZAが機械トラブル!
2017年4月1日に行われた第2期電王戦2番第一局の際におこった出来事です。
佐藤名人が長考中に、PONANZAに機械トラブルが発生したのです。
発生したのは午後3時前。
そこから1時間かけて復旧作業が行われ、午後4時前に対局が再開されました。
機械相手ならこれも仕方ないことだ思います。
しかし・・・
ワタシが疑問に思ったことは・・・
PONANZA機械トラブルに対局の持ち時間への影響は?
復旧に1時間要したこのマシントラブル。
確かに、約1時間の中断の間、佐藤名人は持ち時間を失わずに長考できました。
それはそれでいいと思うのですが・・・
ワタシが一番ひっかかったのは、今回のトラブルが、PONANZA側の持ち時間を失わずにいた、ということなのです!
玄人の方からしたら
「何言ってんだ。いまさら」
と、思われるかもしれませんが、素人だからこそ思う疑問なのです。
将棋の持ち時間ルール
将棋には「持ち時間」と呼ばれる、時間制限があります。
大会によって時間は様々ですが、対局者同士が同じ持ち時間で指すことが決まりです。
棋士には、一つのゲームに、一手を打つ前に考える時間が与えられ、相手が打ち合わってから自分が打ち終わるまでの時間を消費していきます。
将棋は交互に指していきますので、交互に時間を消費していくイメージです。
どんな状況になると、時間切れになり負けになってしまうのでしょうか?
「持ち時間」を使いきったあとの動きは、「切れ負け」「秒読み」の二つがあります。
「切れ負け」のルールの場合は、持ち時間を使いきった時点で負けが決まります。
「切れ負け」の将棋だと、時間を気にしつつ制限時間以内に王を詰ませる必要があります。
「秒読み」のルールの場合は、持ち時間を使いきった以降は「秒読み」で設定した秒数以内で指すことになります。
「秒読み」は「10秒」「30秒」「60秒」が一般的で、この時間をオーバーすると負けです。
今回の電王戦では、5時間の持ち時間で60秒の秒読みルールでした。
PONANZAのマシントラブルが消費時間に含まれなかった理由
第2期電王戦最終第1局の立会人である勝俣さんの解説によると・・・・
山本一成さんからPONANZAに不具合の可能性があると報告があり、 スタッフと調べて、PONANZAに起因する問題ではないと判断された
とのこと。
なんと、電王戦において、
『何らかのコンピュータのトラブルがあり、原因がコンピュータ将棋ソフトに起因しない場合、復旧にかかった時間は、消費時間に含めない』
という対局ルールがあったのです!
なので、立会人の勝俣さんの判断で、両対局者合意のもとに消費時間に含めないようにされたとのことです。
また、中断が1時間と長くなった理由としては、
復旧作業自体は時間がかからなかったのですが、原因不明なため、再開後にPONANZAがもし誤った指し手をすると、戻せないので検証する必要があり時間を要しました。将棋は待ったができませんのでその点をご了承ください。
と説明。
長らく待たせたことへのお詫びの上、今回の対局の総括を。
立会人から見た総括ですが、プロ棋士になる前の、23年くらい前からコンピュータ将棋を見てきました。
名人に勝ちたい、タイトルホルダーに勝ちたいといっていました。
私は棋士ですから、将棋界のトップが負けるのは悔しいですが、ようやくここまでたどりついたのだなと思いました。
森田将棋の森田和郎さんは亡くなられましたが、この世界での先駆者ですので、喜んでいらっしゃるのではないかと思います。
とコメントされていました。
PONANZAの生みの親である山本一成さんも
「今日は勝てて、とてもうれしかったです。途中でトラブルがあって残念でしたが、最後まで動いてくれてよかったです」
と仰っていました。
PONANZAの産みの親山本一成が情熱大陸に!
2017年5月21日放送の番組「情熱大陸」にPONANZAの産みの親、山本一成さんが特集されます。
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山本一成さんのPONANZAのマシントラブルまとめと一言
確かにトラブルが発生し佐藤名人に考える時間ができた、という利点もあったと思いますが・・・
これが人間であったら、お腹が痛くてトイレで唸っている時間も持ち時間にカウントされてしまうのです。
電王戦では、「原因がコンピュータ将棋ソフトに起因しない場合、復旧にかかった時間は、消費時間に含めない」とありますが・・・
結局PONANZAは、今回トラブルがあった部分がないと動けない・正常に動作しない訳ですよね?
では人間の場合・・・
来る前に食べたものが腐っていた原因でお腹の具合がおかしくなったら、それは消費時間に含めないのか?
含まれます。
家族に何か危機的状況が起きて、気になって気になって電話しに行ったり・・・の時間は消費時間に含まれないのか?
含まれます。
と、ややこじつけてしまいましたが、でも時間を使うことに関しては、人間も機械も同等な所で対決しなくてはならないのでは・・・?
ズルい!!!!
と思ってしまうのです。
これについて何か物申している人はいないのかしら・・・
と調べてみましたが、特にそのような方はおらず・・・
もしかしたら、とても恥ずかしい疑問なのかも知れなのですが、ワタシはそこだけひっかかりました。
人間とソフトの真剣勝負の電王戦は今大会が最後でした。
しかし、今後もこのルールについては・・・
やはり考えた方がいいのでは?と思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました!